SNSに流れる「多数派」の錯覚
SNSを見ていると、似たような意見や考え方の投稿が繰り返し目に入ることがあります。
何度も同じ内容に触れると、それが「世の中の常識」であり「大多数の意見」のように感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、その背景にはアルゴリズムがあります。
アルゴリズムとは、私たちの検索やいいねの履歴などから嗜好を学習し、似た情報を優先的に表示する仕組みのこと。心理学でいう「確証バイアス(自分の考えを支持する情報ばかりを集めてしまう傾向)」とも重なり、偏った情報環境を作り出してしまいます。
その結果、目にする投稿が偏るだけでなく、あたかも「みんながそう考えている」かのような錯覚に陥りやすくなるのです。これは「利用可能性ヒューリスティック」と呼ばれる心の働きで、よく目にする情報ほど重要で一般的だと判断してしまう心理が影響しています。
大切なのは、こうした仕組みを知っておくことです。
仕組みを理解すれば、不用意に傷ついたり不安になることを防ぎやすくなります。ただ、そのためには一定の心の余裕や、情報を一歩引いて眺める“俯瞰の視点”が欠かせません。
SNSは便利で楽しい場であると同時に、心に影響を与えるメディアでもあります。
流れてくる情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、「これはアルゴリズムが選んだ景色にすぎない」と認識することが、心を守る第一歩になるのです。
あなたが、あなたらしくいられますように

- くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室 川崎支部
心理カウンセラー 小野綾子のブログです。
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