「死」を遠ざけないことが、「今」を生きやすくする
最近読んで、とても印象に残った一冊があります。
メメンとモリ(ヨシタケシンスケ)です。
「メメント・モリ(人はいつか死ぬ)」という言葉は、どこか重く、日常から切り離されたものとして扱われがちです。
でもこの本は、そのテーマをとてもやわらかく、私たちの“日常の延長線上”に置き直してくれます。
人は「有限性」に触れると、揺れる
カウンセリングの現場でも、
人が深く揺れる瞬間のひとつに「有限性」との出会いがあります。
・大切な人との別れ
・自分の老いの実感
・思い通りにならない現実
そういった体験を通して、
「ずっと続くと思っていたものが、そうではない」と気づく。
それは不安や恐れを生む一方で、
「では、どう生きるか」という問いを自然と立ち上がらせます。
「諸行無常」は、ただの“諦め”ではない
この本を読んでいて思い出したのが、
諸行無常という考え方です。
すべては移ろい、同じ状態ではいられない。
一見すると少し寂しい響きにも感じますが、
カウンセリングの視点で見ると、これは「希望」にもなり得ます。
今の苦しさも、
今の停滞も、
永遠ではない。
そう捉えられることで、人は少しだけ呼吸がしやすくなることがあります。
「理解する」よりも「感じる」ことの大切さ
この本のすごさは、
死生観という難しいテーマを「理解させる」のではなく、
「感じさせる」ところにあると感じました。
言葉で説明されるよりも、
余白のある表現の中で、自分なりに受け取っていく。
これはカウンセリングにも通じる部分です。
人は、正しい答えを与えられるよりも、
自分の中で腑に落ちたときに初めて、変化が起こるからです。
「今の自分」を肯定するための視点
この本を読み終えたとき、
強いメッセージが残るわけではありません。
でも、
「このままの自分で、今日を生きていけばいいのかもしれない」
そんな余韻が残ります。
未来をコントロールしきれないことも、
過去を変えられないことも、
どこかで受け入れながら、
それでも「今ここ」を生きる。
その感覚を、じんわりと思い出させてくれる一冊でした。
カウンセリングと「メメント・モリ」
「人はいつか死ぬ」という事実は、
避けたいものでもあり、同時にとても本質的なテーマです。
それに無理に向き合う必要はありませんが、
ふとしたタイミングで触れたとき、
生き方や人との関わり方が、少しだけ変わることがあります。
この本は、
その“入り口”として、とてもやさしい存在だと感じました。
きっとこれから何度も読み返すでしょう。
あなたが、あなたらしくいられますように

- くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
-
くれたけ心理相談室 川崎支部
心理カウンセラー 小野綾子のブログです。
日常の中で感じたこと、カウンセラーとしての想いなど
思いのままにつづっています。お知らせも色々。
是非ご覧になってくださいね。
最新の記事
おすすめのあれこれ2026年3月30日「死」を遠ざけないことが、「今」を生きやすくする
ご挨拶・営業日のお知らせ2026年3月29日4月のカレンダーを更新しました
学生カウンセリング2026年3月28日「居場所がない」と感じているあなたへ
あなたに向けて2026年3月27日「うまくやらなきゃ」と思っているあなたへ

