エンプティチェアって実際なにをするの?― ワークのリアルな流れをお伝えします ―
前回の記事で触れた「エンプティチェア」というワーク。
空の椅子に向かって話しかける、と聞くと
ちょっと不思議で、少し気恥ずかしく感じるかもしれません。
今日は、その“リアルな流れ”をお伝えします。
① いきなり椅子は置きません
まず安心してほしいのは、
いきなり「さあ椅子に向かって話してください」とはなりません。
最初は、今感じていることをゆっくり言葉にするところから始まります。
・どんな出来事が引っかかっているのか
・その人を思い出すと身体はどう感じるか
・胸のあたりは?喉は?呼吸は?
身体の感覚を確かめながら、
「今ここ」に戻っていきます。
準備が整うまでは、椅子はただそこにあるだけです。
② 椅子に“座ってもらう”
「もしよければ、あの人がここに座っているとしたら…」
そんなふうに、想像の中で
その人に椅子に座ってもらいます。
はっきり姿が見えなくても大丈夫。
ぼんやりした存在でもいい。
そして、今まで言えなかった言葉を
その人に向かって伝えていきます。
ここでいう「その人」とは、
必ずしも他人でなければならないわけではなく
例えば過去の自分でも良いのです。
怒りでもいい。
悲しみでもいい。
「本当は寂しかった」でもいい。
正しい言葉でなくていいんです。
そのとき、
感情が動き始めることがあります。
涙が出る人もいるし、
沈黙が長く続く人もいます。
どちらも、とても自然なことです。
③ 椅子を入れ替わる
タイミングを見て、
椅子を入れ替わります。
今度は、相手の立場に座る。
そして、さきほどの言葉に“返事”をしてみる。
ここが一番不思議な瞬間かもしれません。
でも多くの方が、
驚くほど自然に言葉を口にします。
それは「本当の相手の言葉」ではありません。
けれど、
あなたの心の中にいるその人は、
あなたが思っているよりずっと豊かです。
その対話の中で、
凍っていた感情が少しずつ溶けていきます。
④ 完了の感覚
何往復かやりとりをしていると、
「あ、もう言うことがない」
そんな瞬間が訪れることがあります。
涙が止まる。
呼吸が深くなる。
身体が軽くなる。
それぞれの完了を見極めます。
出来事は変わらないけれど、
心の中の関係性が変わる。
それがエンプティチェアの力です。
気恥ずかしさについて
正直に言うと、
最初は「何をしているんだろう」と思う人もいます。
でも、没頭できるのは
“安全な場”があるから。
無理に感情を出させることも、
無理に続けることもありません。
あなたのペースがいちばん大切です。
なぜ私はよく使うのか
言葉にならなかった感情は、
頭で整理するだけでは終わらないことがあります。
でも、実際に“言ってみる”と、
身体ごと納得できる瞬間がある。
私はその瞬間を何度も見てきました。
そして、私自身も体験しました。
だからこそ、
大切に扱いながら、必要なときに使っています。
もし心の中に
まだ引っかかり続ける誰かがいるなら。
その椅子に、
一度座ってもらう時間をつくることもできるかもしれません。
あなたが、あなたらしくいられますように

- くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室 川崎支部
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