専門家だからこそ、大切にしたいこと
娘がまだ小さかった頃のことです。
気管食道瘻の手術のため、長期間入院していた時期がありました。
その入院中、突然、激しい嘔吐と下痢が始まりました。
しかも、出血を伴い、その状態が24時間ほど続いたのです。
当然、先生方も原因を探してくださいました。
血液検査をしても炎症反応は上がらない。
一般的なアレルギー反応も出ていない。
「何が起きているんだろう。」
そんな状況でした。
でも、母親である私には、一つだけ気になることがありました。
症状が出る少し前、離乳食としてほんの少しだけ豆腐を食べさせていたのです。
もちろん、確証があったわけではありません。
「もしかしたら関係があるのかな。」
その程度のものでした。
入院中は、毎朝・毎夕、先生方が回診に来てくださいました。
多くの先生方は検査結果をもとに原因を探ってくださっていました。
そんな中、娘の主治医だった小児外科の教授が、ある日こう声をかけてくださいました。
「お母さん、何か心当たりある?」
私は少し迷いながらも、
「確証はないのですが、豆腐を食べたことが気になっています。」
とお伝えしました。
すると先生は、
「それだ!きっとそうだ!お母さん、さすがだね。よく見てる!」
そう言って、すぐにその可能性も含めて詳しく調べてくださいました。
その結果、消化管アレルギーという診断に至りました。
私は当時、医療の知識なんて何もありませんでした。
大学病院の教授に自分の考えを伝えるなんて、とても勇気がいることでした。
それでも話すことができたのは、先生が普段から「お母さんはどう思う?」と、私の声にも耳を傾けてくださっていたからです。
その大学病院では、本当に素晴らしい先生方に支えていただきました。
その中でも、今でも強く印象に残っているのは、その教授の姿勢です。
検査結果だけではなく、家族が見ている日常の様子にも耳を傾ける。
専門家として分析しながらも、一つの可能性にとらわれず、多角的に子どもの状態を見ようとされていました。
私は今、心理カウンセラーとして仕事をしています。
専門知識や経験はもちろん大切です。
でも、それだけで目の前の方を理解できるとは思っていません。
その方が感じていること。
その方だからこそ気付いていること。
そこにこそ、大切なヒントが隠れていることがあります。
だから私は、専門家として分析することに頼りすぎず、当事者の気持ちや意向を尊重しながら、一緒に考えていけるカウンセラーでありたいと思っています。
あなたが、あなたらしくいられますように

- くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
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くれたけ心理相談室 川崎支部
心理カウンセラー 小野綾子のブログです。
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