家族といえども、他人

確か、私がまだ学生の頃だったと思います。

父との会話の中で、

「まぁ、家族といえども他人だからな」

と言われたことがありました。

当時の私は、

「うわぁ、冷たい言い方するな」

と思いました。

でも、その一方で、

「そりゃ、そうだよな」

とも思ったことを覚えています。

実際、父が冷たい人なのかというと、全くそんなことはありません。

不器用ではありますが、愛情深い人だと私は感じています。

だから、あのとき父が言った「他人」というのは、「自分とは違う人」という意味だったのだろうと、今では理解しています。

どこまでいっても、自分以外の人のことを完全に分かることはできない。

家族だから分かる。

親だから分かる。

夫婦だから分かる。

そう思ってしまうこともありますが、やっぱり相手は自分とは違う一人の人間です。

「分かっているつもり」にならないことも、大切なのかもしれません。

私は今、「家族といえども他人」という父の言葉を、家族だからこそ節度を持って尊重する、という意味で捉えています。

近い関係だからこそ、何を言ってもいいわけではない。

家族だから、相手の気持ちや考えを勝手に決めつけていいわけでもない。

大切な人だからこそ、「この人は私とは違う人なんだ」ということを忘れずに関わる。

学生の頃には少し冷たく聞こえた父の言葉が、今になって、なんだか分かるようになってきました。

家族でも、他人。

でも、それは距離を置くということではなく、相手を一人の人として尊重するということなのかもしれません。

あなたが、あなたらしくいられますように

小野 綾子
小野 綾子くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室 川崎支部
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