「普通の家庭」ってなんだろう

カウンセリングをしていると、

「うちは普通の家庭じゃなかったので」

という言葉を聞くことがあります。

反対に、

「特に問題のない普通の家庭でした」

というお話を伺うこともあります。

さて、「普通の家庭」と聞いて、皆さんはどんな家庭を思い浮かべるでしょうか。

両親がいて、兄弟姉妹がいて、みんな仲が良くて、休日には家族で出かけて……。

人によって思い描くものは様々だと思います。

そして、ご自身の家庭について考えたとき、

「うちは普通だった」
「うちは普通じゃなかった」

どちらを感じるでしょうか。

私は、実は「普通の家庭」というものは存在しないのではないかと思っています。

家族というのは、複数の人間の集まりです。

同じ性格の人は一人としていませんし、価値観も違います。

親の育った環境も違えば、子どもの感じ方も違う。

それぞれが影響し合いながら、その家族だけの文化やルールができていきます。

だから、まったく同じ家族はありません。

私たちはつい、自分の家庭と誰かの家庭を比べてしまいます。

テレビドラマの家族。
友人の家族。
SNSで見かける家族。

そして、

「うちは普通じゃなかった」

と感じたり、

「普通の家庭ならこんな悩みはないはず」

と思ったりすることがあります。

でも、その比較対象になっている「普通」も、実はとても曖昧なものです。

ある人にとっての普通は、別の人にとっては普通ではありません。

だから私は、「普通かどうか」よりも、

「その家庭の中で何を感じながら過ごしてきたか」

の方が大切だと思うのです。

家庭環境を振り返ることは、自分を理解する手がかりになります。

けれど、「普通だったか」「普通じゃなかったか」という物差しだけで判断しようとすると、苦しくなってしまうことがあります。

もし今、「うちは普通じゃなかったから」と自分や家族を責めているなら。

あるいは、「普通の家庭だったはずなのに、なぜこんなにつらいんだろう」と悩んでいるなら。

一度、「普通」という言葉を脇に置いてみてもいいかもしれません。

あなたの家族には、あなたの家族だけの歴史があります。

その中で何を感じ、何を身につけ、何を大切にしてきたのか。

そこに目を向けてみると、また違った景色が見えてくるように思うのです。

あなたが、あなたらしくいられますように

小野 綾子
小野 綾子くれたけ心理相談室(川崎支部)心理カウンセラー
くれたけ心理相談室 川崎支部
心理カウンセラー 小野綾子のブログです。
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